健康という妄想に

  • 2017.06.11 Sunday
  • 11:52

 四十年ほど前に十二指腸潰瘍で下血、入院して輸血を受けた。これが原因?で肝臓のGOT、GPT(40前後)が上がり何らかの障害が生じたことが判明した。しかし当時は、ウイルス性の肝炎はA,B型しか判明できない状況で、非AB型と診断された。将来の治療薬は期待されたが、当面は定期的な検査という手段しかなかった。

 

 幸い、GOT、GPTも大きくアップすることもなく、健康診断でも要観察というチェックが表記される状況が続いた。20年ほど経過して、健康診断でGOT、GPTの数値が70ほどに上がった。こんな数値は初めてだったので再検査した方がいいということで、既に解明されていたC型肝炎ウイルスの検査も受けることにした。

 

 結果は陽性だった。しかし既往歴からみてさほど驚かなかった。ただ症状が悪化しているのではという懸念があったので、診療所の先生に大学病院に紹介状を書いてもらった。これが平成9年で、取り敢えず処方してもらったウルソ(錠剤)でGOT、GPTの数値が通常の40前後に戻り、これが長いC型肝炎ウイルスとのお付き合いの始まりとなった。

 

 数年後に病院の先生のすすめで、インターフェロンとリバビリン服用の治験に参加した。一年の治験治療でウイルス検査が陰性の結果となったが、半年の経過観察が始まってまもなく腸閉塞となり地元の病院に入院、併せてGOT、GPTが200以上に跳ね上がった。後に、治験時のリバビリンが偽薬で、ウイルスも完全に消えていなかったということが分かった。

 

 腸閉塞は手術を経て退院したが、C型肝炎は前のウルソ服用に戻り、同時に腸閉塞手術後の腸の機能低下に対応するという生活が始まった。C型肝炎については、治験から十年後の平成26年に、インターフェロン、コペガス、ソブリアード三薬併用の治療を半年間受けてウイルスは消滅した。先月、治療から二年後の検査結果で、ウイルスは不検知、GOT、GPTを始め他の関連数値も良好で、C型肝炎卒業?のお墨付きをもらった。

 

 しかし、15年前の腸閉塞手術の予後は、悪いとは言えないが良いとも言えない状況が続いている。初め、病院で腸の働きを補助する薬を出してもらっていたが3〜4年で止め、しばらくしてまた別の病院で別の薬を出してもらい3〜4年で止めてしまった。その後は、時に市販の薬、サプリを服用し、健康体操、ウォーキングなどで体調を整える生活を続けている。

 

 さらに、20年前に病院通いを始めてから数年の間に、耳鳴りと飛蚊症のために耳鼻科と眼科で診察を受けた。幸か不幸か、両方とも加齢によるもので治療不要(不可)とのこと。飛蚊症はやがて慣れ(諦め)てきたが、耳鳴りもまだ時折り生じるものの、これもまた慣れと諦めで何とかなっている。

 

要するにじぶんの半生を考えると、生活に大きな支障をきたことはないものの、ずっと健康上の問題を抱えていたということだ。現代は過度の健康ブームで健康診断の数値に一喜一憂する世の中だ。しかし、今、これって変だろうとつくづく思う。健康と不健康の間に明確な境界線などあるわけがない。これは七十年生きてきたじぶんの実感だ。健康の定義などはほとんど意味をなさない。

 

医療機器が高性能になるにつれ問題点?も発見しやすくなった。しかしこれも時に善し悪しだろう。人間を含め生命体とは複雑怪奇な存在である。単純な論理で説明できるものとも思えない。健康不健康もその通り。少なくとも、我らご同輩はもはや健康を問うことを止めにしてはどうだろうか。

 

しかし、いかにしたら自分自身の心身が少しでも快適でいられるか、このことに死ぬまで気遣いを続けることは大事なことであろうと考える。吉田松陰だったろうか、処刑を前にしてなお身体をいとうていたという逸話を残したのは。最後に息を引き取るまで人生は終わらない。よくよく心しておきたいことだと思う。

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