腹の底から人生を考えてみる

  • 2016.09.07 Wednesday
  • 21:39

甲田光雄著(日経ヘルス編)『腸をキレイにする!』(日経BP社)

 

今、食が面白い。不食から飽食まで出揃った。個人的には、じぶんの体調/体質と好奇心から、小食の方に関心がある。TV番組でやっている大食いのシーンは好きではない。食べた後どうなっているんだろうという興味はあるが。三ヶ月ほど前から、著者・甲田光雄氏の推奨する「半日断食」を始めた。

 

著者の推奨する健康法は西式健康法(wikipedia)をベースにしたもので、子どもの頃から病弱だった著者が取り組んできた健康法のようだ。世間には古今東西数多くの健康法が提唱されている。じぶんも若い頃より、病弱とは言わないまでも強健な方ではなかったので、ヨガのような体操とか、サプリメントなどに関心があった。

 

かつて、本格的に取り組んだことはないのだが、入門書などを参考に、自己催眠、ヨガ、気功などを試してみたことがあった。これらはやってみると、他人に説明出来なくとも、じぶん自身で感じるモノがあるのである程度納得することが出来る。ただ、個人的な試行だけでは限界があり長続きはしなかった。

 

健康体操に入るかどうかは分からないが、ずっと続いているのはウォーキングだけである。世間ではどうか分からないが、じぶんはウォーキングは奥の深い運動法だと思っている。最近、この国でも競歩というスポーツが注目され始めているが、ランニングとウォーキングの境にあるような運動法で興味深い。

 

西式健康体操は本当に久しぶりに始めた新しい運動法である。その動機は本書とじぶんの納得感である。著者の、健康の始まりはタイトル通り ”腸をキレイにする” ことにあるという説に共感する。腸は自身の体内にある外部環境である。身体の中を口から肛門まで一本のトンネルが突き抜けている。そしてその中に数百兆?もの腸内細菌が生息しており、宿主である自分と共生関係にある。

 

この腸内環境が健康の根底であるというのは納得がいく。そして、「半日断食」(午前中は固形物を、ベストは何もとらない、生水を飲む、西式体操を行う)をやってみると、その効果を即、主観的に体験することができる。これらが継続のモチベーションとなる。じぶんにもこれは続けられるという予感がする。

 

 天地の法則は入れるよりも出す方が先です。電車でもエレベーターでも、そうでしょ。まず中に入っているものが外に出て、それから外で待っているものが中に入るというのが順序です。それならば、午前中に断食して老廃物をまず完全に出して、それから食べる(入れる)という食パターンが、天地の法則にかなった食べ方であるはずです。

 

とにかく、腸の宿便(現代医学にない概念?)を取り除くことが肝要、腸を整えれば花粉症もなおると著者は語る。宿便は諸悪(諸症状)の根源というわけだ。さらに、狂牛病の原因とされる異常プリオンも腸の粘膜が健全なら、粘膜を通り抜けることが出来ずに体外に排出されるのだという。

 

腸粘膜が荒れる(傷がつく)のは ”これはもう食べ過ぎにですわ” と著者は言う。朝も、昼も夜もしっかり食べたうえに間食までする。これでは消化で傷ついた粘膜を修復する暇がない。対策は小食にすること、それも出来れば生菜食が良いという。野菜も熱を加えるとアルカリ性になってしまうので、酸性の肉、魚でバランスをとる必要があるとのこと。

 

考えてみれば我々はずっと、あれを食べるのが良い、これを食べるのが良いと、入れる方だけの話しか聞いてこなかったような気もする。本書が主張していることは、先ず出す方がずっと重要なんだということに尽きる。この歳になってやっと、このようなことを考える機会を得たわけで、もっと若い頃に知りたかったという思いがないわけではないが、人生のエピローグに向かって相応しいライフスタイルを装う一助になるものと感謝している。

 

さらに、著者の ”小食で健康に” という提唱は、世界の人口増による食糧問題、健康増進による医療費削減という社会問題にも関わる案件である。個々人の問題であると同時に、政府が取り上げるに値する課題であることも忘れてはならないだろう。

 


 

腸をキレイにする!(kindle版)

発行 2010年9月 日経BP社(amazon

   2003年12月発行の同タイトルの書籍を電子化

 

著者 甲田光雄

医師、医学博士。1924年東大阪生まれ。大阪大学医学部卒。子どもの頃から病弱で、休学を繰り返す。現代医学では回復せず、西式健康法、断食療法、生菜食療法などを実践しながら研究を深める。慢性疲労症候群、潰瘍性大腸炎、膠原病、ウイルス性肝炎、アトピー性皮膚炎など、治療が難しい疾患に意欲的に取り組み、数多くの治療経験をもつ。大阪大学医学部非常勤講師、日本総合医学会会長等を歴任。『断食・小食健康法』『あなたの小食が世界を救う』など著書多数。

 

甲田光雄氏は2008年8月12日に84歳で逝去。著者が長年研究し続けた健康法は、今も多くの人に愛され、実践されている。

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