超リアリスト、副島隆彦という人

  • 2014.08.15 Friday
  • 16:16
生き様そのものが作品、そんな感じを抱かせる人物がいるものだが、副島隆彦氏は正にそんな印象の人だ。自分で買って読んだ本は『ぶり返す世界恐慌と軍事衝突』と、今回の『アメリカ帝国の滅亡を予言する』の二冊のみ。あとは立ち読みとネットでその人となりを垣間見た程度だ。

ちょっと過激なタイトルの著書が多く、しばらく彼の本を避けていた。一年半ほど前に初めて『ぶり返す世界恐慌と軍事衝突』を読んで、すぐに二冊目として本書を買い求めたのだが、一年以上そのままになっていた。本書は映画評論集と言うことで、初めは驚いた。著者が映画に通じていることも知らなかったのだから、じぶんは著者の読者としては超レアな存在に違いない。本人の言葉によれば、9年ぶりの「映画の本」であるという。

アメリカ帝国の滅亡を予言するアメリカ帝国の滅亡を予言する
〜映画で読む世界の真実
発 行 日本文芸社(amazon
    2013年4月 第一刷

著 者 副島隆彦
評論家。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。1953年、福岡県生まれ。早稲田大学法学部卒業。外資系銀行員、予備校講師、常葉大学教授等を歴任。政治思想、金融・経済、歴史、社会時事評論などさまざまな分野で真実を暴く。「日本属国論」とアメリカ政治経済を柱に、日本が採るべき自立の国家戦略を提起、精力的に執筆・講演活動を続けている。タブーを恐れない歯に衣着せぬ発言で、カリスマ的な人気を誇る。副島隆彦の学問道場:http://www.snsi.jp/


この本は私の記念すべき政治映画の本の3冊目である、と著者は記す。著者は、ヨーロッパとアメリカの人種間の差別問題や、各国の政治諸党派の思想の大きな対立図式を簡潔に示しながら解説できなければ、本物の映画評論文にならない、と言う。さらに、政治思想の観点から映画評論ができる人間が、日本では自分のほかにいないと断言する。本書は、映画評論集と詠いながら、実は著者自らの思想・哲学を語っている。

著者は六つ年下だが、じぶんとは対極にいる人物という気がしている。しかし、根っこのところで何か繋がり合うものがあるように思えてならない。もし、同じクラスの学生であるとするならば、全く異なるキャラなのだがなぜか互いに認め合える、そんなクラスメートになるのではないかと想像したりする。じぶんの副島隆彦・観は「超リアリスト」というものである。

著者は、人類の歴史(もしかして、それは人類の業・・・)というものは致し方のないものだ、という風に考えているように思える。歴史は起きるべきして起きる。しかし、それを変えようとする努力は、結果として虚しいかもしれないが、しかし、それはそれで人間の生き方として評価できるとする。この辺に、著者のリアリストたる本質を見る思いがする。

『スター・ウォーズエピソード3 / シスの復習』(2005年)の解説で、” ロックフェラー=アメリカ帝国のドン、デイヴィッド・ロックフェラーは銀河帝国の初代皇帝パルパティーンである ” とする喩えにはしびれた(本書167P、ソックリ!)。先ず、闇の勢力が存在するということ、そして『スター・ウォーズ』はその証であるとういうのは、おそらく常識的な話ではない。しかし、じぶんは「事実は小説も奇なり」という歴史観を持っている。非常識なほうが真実ということは十分にありうることだと思っている。

それ故に、自分の資産を ”表” と ”闇” の権力から守れとする著者の主張は、充分に是認されるべきものと考える。しかし、現実には、個人的に守るほどの資産もなく、仮に、十分に守るに値する資産を所有していたとして、著者ほどに真剣に行動するだろうかと考えても、そんなことは想像も及ばない。ここが、じぶんが著者のようなリアリストではないと考える理由である。

 わたし、副島隆彦もまた、死ぬまで、この共和国軍(スターウォーズ、銀河帝国に抵抗する勢力)の軍律に忠実に従って、属国・日本で最後まで闘い抜く。立派に戦って死んでみせる。三島由紀夫先生の偉大な志に続く。

さりげなく文中に記す。ここまで真剣に重く現実を受け入れようとする人間は少ない。リアリストに「超」の冠を付けたくなる所以である。世間の多くの人びとは " 似非リアリスト " である。マネー、権力など、現実社会のリアリティに簡単に共鳴はするものの、その本質を掌握するところまで辿り着けない。

しかし、著者は権力の実態を知り、かつ許容しながらも、その現実を無条件に容認することはない。じぶんは、そんな著者の態度にリアリストを感じるのである。じぶんには無い気質でもある。

本書には、二〇本の映画が紹介されている。自らが定義した政治映画というカテゴリーの作品たちである。『スター・ウォーズ』以外、タイトルを目にしたことはあるが未だ観てはいない。特に映画ファンと言うわけでもないので、元来観る本数は少ない。今は、TVを見る機会も減ったのでTVを通して映画を見ることも少なくなった。さらに、所謂、ドラマ・スタイルにあまり興味がなくなってきているので、ますます映画を観る機会が減りそうだ。個人的にはこんな状況だったのだが、本書を読んで少し気持ちが揺らいでいる。まだ、観る価値のある映画作品もあるのではと。

著者は、アメリカ・ハリウッド映画の宇宙戦争もの、異星人ものをバカ映画と批判し、それはハリウッドにある5大スタジオの従業員を食べさせることだけが目的だ、と喝破する。リアリスト副島隆彦は、内心、そのことは ”諾” としているのではないのか。事実、著者は、評論家である自分もハリウッドと全く同じ仕組みで動いているのだと総括する。新刊書を次々に、年10冊も出さないと喰っていけない、と自戒する。

問題は、その現実を許容しつつ、自らの本来の役割を心の隅に掲げ続けられるか否かといういことである。著者は言う。メシを食うために映画を作るというのは本末転倒である。本書のタイトル「アメリカ帝国の滅亡を予言する」もそうなのだが、これは見方によっては著者のエールにも聞こえてくる。ハリウッドもアメリカも、そして著者も、現実に甘んじているだけでは滅ぶぞ。行動を起こせ。

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